私という人間

徒然

物語が面白ければ、それが心に届けば、作者の生い立ちなどどうでもいいことなのかもしれない。

そうは思いつつも、私は自分のことを少しばかり語ってみようと思うのだ。
何故なら、私のような人生もあるのだと、必要な誰かに伝えたいから。
それが、今の苦境から這い上がり、立ち上がるなにかしらの勇気に繋がればいいなと考えるから。

私という人間は、他者に比べて何ひとつ魅力的なものを持たない人間だ。
大学を中退しているので、学歴もない。
何かしらの資格もスキルも持っていない。
金だってない。

それ故、今の生活をはじめる前は、スーツを着て毎日人間関係の雑多なことに振り回され心をすり減らしてもいた。

学歴が、金が、伝手がない故に苦しくもそんな生活に安定を求めて、じっと自分を押し殺し続けていた。
ずっと逃げだしたいと思っていた。

そんな私でも、表現することの喜びを見出したことで、30代半ばにして心からの夢に出会えた。

「心からやりたいこと」に出会えさえすれば、後は早かった。

とは言え、生活をガラリと変えるためには周りの説得も、未知への不安に向き合うことも必要だ。

しかし、無理をせず勇気を持って自分を表現することで、少しずつ自分の生きていたくはない世界から逃げ出すことができた。

もちろん、出会いの幸運もあっただろう。家族を含めてサポートをしてくれる人間が周りに存在したのだから。

ただ、このことで学んだのは「心を尽くし、言葉を尽くす」ということ。

厳しいことも沢山言われたが、そうした本気の言葉と向き合い、ごまかすことなく本心を語ることで、物事は少しずつではあるが求める先へ動いていったのだ。

そこには根拠や覚悟も必要だった。
つまり、「心からやりたいこと」を実現するために、何を計画し準備しているかを明かすこと。

あれから早6年。
これからどうなるかもわからない。
しかし、人生に早すぎることも遅すぎることもないことを知った。

それでも、今の未来に繋がる(であろう)苦労は、あの時の苦悩に比べればずっとましだと思える。

他にも細々とした物はあるのだが、まずは私という人間についてここに記す。

 

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